一般の瓦やトタン屋根からの葺き替えにはもちろん、平板スレート瓦へ直に重ね張りできる非常に優れた軽量性も有しています。ただ、初期の施工が未熟ですと10年以内に漏水や割れが起きて建物に悪影響が出てしまいます。今回報告するのは、そうした『施工力未熟』の結果軒天井に腐食が発生し、やむなく葺き替えをした事例です。尚、最初に施工した工事店はすでに解散しています。積水かわらdeリフォームショップ松戸店は、フォローの工事を誇りを持ってお引き受けします。
勾配が2寸以内の、元トタン瓦棒屋根に15年前にかわらUを施工。
無理な施工方法、未熟な納め方だった為、下段屋根の両端で漏水⇒軒天井が腐食。
思い切って、勾配が緩い部分の屋根をかわらUに葺き替えることに。
前施工者は、どうやら防水工事店だったようで、かわらUの下地にアスファルト防水をする時に使う防水シートを使用していました。このシートは真夏の高温で熔けかわらUの内側にべったり張り付いてかわらUを剥がす際非常に困難でした。
かわらUは積水の保証商品です。標準施工が義務付けられているので、前回とは違って、きちんと標準施工をしました。切妻屋根の部分もかわらUですが、勾配の緩い屋根部に比べてまだ全然傷んでいない為、新規の方との釣り合いを考え、再塗装工事でコストを抑えました。
←今回エクセラが特に注意を払った部分。上の屋根が下の屋根にかぶさっているため、雨水の浸入を完全に防ぐ仕組みが必要です。前施工者はここが未熟でした。雨の流れに配慮する板金加工の能力が必要で、しかも見栄えも。技術力の高い職人さんと組んでの仕事は安心感が違います。
こうしてかわらUからかわらUへの、葺き替え工事が終りました。腐食していた軒天井の張替えも、両端特殊納め部分の防水加工もすべて完了。安心して梅雨と真夏と台風シーズンを迎えることができるとクライアントさんもホッとされました。
■エクセラ事例から平板スレート屋根の実態をご説明します。
鎌ヶ谷市S様邸の事例研究
築後28年 平板彩色瓦(通称カラーベスト) 寄棟型屋根(1階は切妻型)
《棟トタンが強風に対して弱くなる》
平板スレート瓦という材料はセメント基材を成形して表面に骨材系の防水兼用素材でコーティングされたものなので、防水性はひとえに表面素材の劣化時期にかかってきます。
平均的には、(私の経験上)15年位から18年位が限度です。
屋根材は過酷な自然環境の中に放置されていますから、日々劣化し続けていると思ってください。
特に、平板瓦は形状からして平らで、屋根下地とピッタリくっついています。
これは、屋根上の熱・冷気を屋根下地・木部に直接伝えてしまい、反対に建物下部からの熱・冷気を空気の層無しで(乾燥させる隙間が無いということ)結露を起こしやすい、ということになります。
この点では、日本という風土を考えると、日本瓦や積水かわらUなどの波型状瓦の空気層有りタイプが本当は有利であると言えそうです。
S様邸では、瓦自体の経年劣化が見られるのは当然のことと言えそうですが、強風に煽られた結果、軒先に近いところから棟トタンの飛散が起きてしまいました。
これは、棟トタンの固定方法上の弱点です。本体瓦を張り上げてきて最上部に来ると、鉄板製の役物という雨押さえ板をかぶせます。これが棟トタンです。中身は杉板の貫材(貫板)というものですが、これを2枚平行に屋根に真上から打ち込み、棟トタンでカバーリング、脇にカラー釘にて固定。定尺1.8mですから1.8mごとに10cmづつダブらせて取り付けます。
築後10年過ぎるくらいから、脇から打ったカラー釘が抜け始めます。カラー釘が外部の冷気を中の貫板に伝え、貫板の中で結露が発生、徐々に腐ってくるからです。これに、棟トタンジョイント部からの漏水や3つ又部の隙間発生による漏水などが加わり、水勾配の低い軒先から最初に棟トタンが飛散しやすくなる、、、ということになります。
平板スレート瓦の特性は、施工性の良さ・・・つまり葺きやすい材料。しかも値段も比較的安いし、見栄えも洗練されているように見えますから、普及率が高い材料です。
ただし、施工上の弱点・性質上の弱点を知っておいていただけると、メンテナンス必要時期に対して正しく対応できるので、思いもしない急な室内漏水や屋根構造材の沈下・腐食などに直面することを防げると考えます。
こちらの例で見ても、棟トタンの中身、貫板が完全に腐食し固定釘が遊んでいる(固定先の貫板が無くなっているので、ふらついている状態)なのがよく分かると思います。
さらに、こちらの屋根の問題についてですが。
築後28年というと、一般的に平板瓦材の寿命を過ぎています。が、途中途中で適切なメンテナンスがされていれば、かなりよくもつものでもあります。
平板瓦は、表面の着色層が防水の要です。S様邸は、10年未満の時点で表面層の再塗装をしてありますので、ここまで防水力が持ちこたえたと言えそうです。
ただ、瓦の数枚は外れかかっていますし、塗装面がすでに劣化・褪色(色落ち)コケ・カビの大量発生などの瓦の大敵が現れて来ています。
棟トタンの3つ又部分の防水コーキングが期限切れで、ここからも漏水は起きていると判断できます。
又、雪止め金物が付いていない為に、雪が少しでも降ったときの雪のズレ落ち時に樋が激しく変形してしまいました。私共は、雪止め金物は必要不可欠と考えて、必ずつけましょうと提案いたします。樋の雪被害防止になり、地上の人・物への落下被害防止にもなります。半丸タイプの軒樋は大型角樋への交換(受け金物はステンレス製、60cm間隔)妥当と判断します。
次に、こちらのお住まいの改修プロセスを見ていきます。
全棟トタンの解体撤去・廃棄物処置。
こうして全て撤去して仔細に見ていきますと、棟部の中では木部の腐食、断裂、穴あきなど、天井漏水一歩手前まできていたことがよりはっきり分かります。
棟部廃材を取り払い、清掃し、穴をすべてコーキング材にて埋めた後、新しく貫板をビス止めします。
その際、エクセラ独特の2次防水処理をしておきます。貫板と瓦の間の隙間に必ず防水コーキングを施すことです。こうしておくと、貫板・下地のベニヤのもちが平均して5年は長持ちします。
いよいよトタンの加工取り付け工事です。
3つ又部については、さらに念を押す意味で、防水処理をしておきます。ここでは、3つ又接合部の漏水が起きても防水テープが木部への漏水を食い止めるよう隠し誘導路を構成してあります。
さらに、トタンが取り付けられた後にも、3つ又部中心に、加工ジョイント部をコーキング処理しておきます。
これで万全です。
お住まいのメンテナンスは、ご家族と家という財産を安全に、安心して住んでいくためにはどうしても必要になります。積水屋根診断システムは設立20年の歴史と蓄積された経験・技術で多くのお住まいをトラブルから救ってまいりました。適切な周期で適切なフォローによる屋根改修工事は、お住まいを長持ちさせることができます。耐震診断と共に屋根診断を定期的にお受け頂き、健康な屋根のもと、安全にお住まいいただきたいとねがっております。
屋根改修の極意お教えします
■信頼できる建築系アドバイザーが身近にいる場合。
これは簡単です、その方に任せること。そして任せた以上文句は言わず、最後まで信頼。
アドバイザーと言っても、屋根や雨樋、ひいては外壁との相性もあるし、デザイン的にもそれぞれ得意分野があります。任せたアドバイザーにも有料無料問わず請け負った責任が発生しますから、相互不信に陥らない為にも、インフォームドコンセントを求めましょう。
その中で、使用材料や施工方法の記録・・・つまり仕上げ表を作成・保管するようにしておきましょう。アドバイザーが自分で(或いは自分のネットワークで施工者を選任する)場合は、工事契約書をその方と結びます。クーリングオフ制度の事もきちんと説明してくれるようでないと信頼に値しませんので要注意。
さて、実際に工事が始まる際には、近所への配慮(工事挨拶)が必要です。屋根材丸ごと交換工事と言う場合はかなりおおごとな工事になりますし、私共が得意な既存屋根材の上に『カバー工法』として、重ね葺きをする場合でも、風の吹き向きにより洗濯物を汚すとか、音でビックリさせてしまうとか、工事車両が道路をふさぐなどして、近所に何らかのご迷惑をお掛けすることがありえます。事前挨拶は絶対必要ですね。
■身近に信頼できるアドバイザー・施工者がいない場合。
間違っても、『呼びもしないのに向こうから来る』訪問販売業者には依頼しないで下さい。近隣工事挨拶の一環で多少自社の事をPRする人なら別ですが、屋根の一角を指し示し『ほら、あそこの瓦がずれてます。ほって置くと飛んでしまいますよ。』とか、『今なら
工事代金半額ですが、すぐ契約してください。』とか脅かし・脅迫めいた押し売りをする業者が後を絶ちません。多くはリフォーム詐欺の可能性がありますので、相手の名刺か会社のパンフレットなどをもらって、『後から考えてこちらから連絡します。』と言ってください。無責任な訪問販売業者なら、名刺すら渡そうとしませんし、工事見積もり書も後で証拠にしたくないから)見せるだけで置いて帰りません。
それでは、良い工事店選びのコツですが、@お買い物がてら工事現場があったら、実際に工事をしている職人さんやその現場の現場監督さんから自分の名前を伏せて、それとなく質問してみてください。ぶっきらぼうな職人さんでも自分の仕事に誇りを持っている人なら、工事や材料の説明は上手くなくても、人柄はなんとなく伝わります。もし、ある程度気に入れば、連絡先を教えてもらえばいいでしょう。但し、念を押すこと・・・見積もって貰っても工事をおたくに頼まない場合もありえますが、それでもいいですか?と。
A近所に、適当な屋根工事現場がなく、知り合いにも任せられる相手がいない場合ですが、それでも色々手段はあるものです。例えば、電話帖広告とか、インターネット広告。
http://www.homeinet.jp/ http://www.homeinet.jp/contact.html
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